Research

ナノ構造複合材料の創製と磁性フォトニクスへの応用

 磁場中に置いた磁性体中にレーザー光などの直線偏光を入射すると、偏光方向が回転するファラデー効果(磁気光学効果)が観測されます。これは、誘起される磁化とスピン軌道相互作用によりエネルギー状態が分裂することで、物質の左右円偏光に対する応答に差が生じるために、偏光の回転として現れます。特に強磁性体においては高い回転角が得られ、光学素子や記録材料などの分野に広く応用されている現象です。

 強磁性体をナノ粒子化した場合、表面積の増加によりスピン軌道相互作用が強まることに加えて、他の機能性材料と組み合わせることが容易になります。このとき、界面における結合が強まると、以下のような特異な現象を引き起こすと期待されます。例えば、金属ナノ微粒子とのコンポジット(複合体)を形成する際、局在表面プラズモン共鳴によって光電場が増強されることで、強磁性体の磁気光学応答が増幅されると考えられます。また、強誘電体相との複合化では、構造相転移が界面を介して磁歪効果と結びつくことで磁気的性質の変化となり、磁気光学効果の電気的スイッチングが可能となる高性能なマルチフェロイック(多強性)材料となる可能性があります。本研究では、パルスレーザー蒸着法による薄膜作製、或いは透明固体材料への超短パルスレーザー照射による材料改質プロセス等を駆使することにより、ナノ構造磁性体と機能性材料を組み合わせたナノ複合材料の作製に取り組んでいます。

TOP
研究
メンバー
論文
成果発表
研究装置